Host activity as a cue for sex ratio control by parasitic wasps

DOI
  • Nakamura Satoshi
    Division of Integrative Environmental Sciences, Doctoral Program in Life and Environmental Sciences, University of Tsukuba
  • Toquenaga Yukihiko
    Division of Integrative Environmental Sciences, Doctoral Program in Life and Environmental Sciences, University of Tsukuba

Bibliographic Information

Other Title
  • 寄主の活性に着目した寄生蜂の性比調節に関する研究

Abstract

寄生蜂の性決定様式は半数倍数性であり、雌は腹部に精子をためておくことができる貯精嚢をもっている。そのため、寄生蜂の雌は貯精嚢にためてある精子を卵に受精させるかどうかで性比を調節することができる。また、寄主の体重とその寄主から出てきた寄生蜂の体重との間には正の相関が見られる。寄生蜂は体重を重くすることで繁殖成功度を高くすることができ、さらに雄に比べて雌の方が体重を重くすることで得られる繁殖成功度は高くなる。したがって、寄生蜂がより体重の重い寄主に雌を産卵するよう性比を調節できることには大きな意義がある。実際に寄主の体重に伴う寄生蜂の性比調節は広く知られている。<br><br>本研究室で飼育している寄生蜂はマメゾウムシを寄主としている。この寄生蜂は豆の中にいるマメゾウムシの幼虫を寄生の対象としている。このような場合、寄生蜂が寄主の体重を直接感知して性比を調節することが困難であると考えられる。そこで、この寄生蜂が豆の外部から寄主の体重を推定できるような情報が必要になってくる。<br><br>本研究では寄主の活性(寄主が豆を摂食するときに生じる音に頻度)に着目し、日数に伴う寄主幼虫の体重の変化と活性の変化を比較した。<br><br>結果から、寄主の体重、活性はともに大きく増加する期間を示し、またその期間(12日目から13日目)は一致していることがわかった。このことから、活性は寄生蜂が寄主幼虫の体重を知るための情報として可能性があると考えられる。また、寄主の活性において、12日目と13日目の幼虫間にのみ変化が見られたことから、寄生蜂はこの変化を閾値として利用し、性比を変換しているのではないかということも考えられる。

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390001205689948032
  • NII Article ID
    130007011128
  • DOI
    10.14848/esj.esj51.0.210.0
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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