富士山亜高山帯針葉樹林における道路開設30年後の林分構造と動態

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Stand structure and dynamics in a sublpine forest in Mt. Fuji, central Japan, 30 years after road constraction

抄録

道路開設後30年が経過した亜高山帯針葉樹林において、道路開設が林分構造と最近の更新に及ぼす影響を明らかにするために調査を行った。調査地は富士山北斜面であり、標高2100m地点に50m×140m(0、7ha)の調査区を1999年に設置した。調査区は道際(0m)から森林内部(140m)にかけて垂直方向に設置した。調査区を10m×10mのコドラートに分割し、コドラートごとに樹高2m以上の生立木および枯立木すべてを対象にして毎木調査を行った。毎木調査は2001、2003年にも行い、新規加入個体、死亡個体も記録した。<br> 毎木調査の結果、生立木の胸高断面積合計ではコメツガとオオシラビソ、立木密度ではコメツガ、オオシラビソとシラビソが優占していた。全樹種の立木密度はこの4年間で減少していたが、それはハクサンシャクナゲの減少によるところが大きく、針葉樹3種の変化は小さかった。しかしながら、針葉樹3種の胸高断面積合計は減少していた。枯死木の平均胸高直径は、コメツガの9.5cm、シラビソの5.1cmに対し、オオシラビソは17.0cmであった。<br> また、ニホンジカによると思われる生立木への剥皮は、調査区面積あたり1999年12本、2001年21本、2003年81本と増加していた。しかしながら、剥皮による死亡個体は1999→2001年4本、2001→2003年7本と、現在までのところは少なかった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205690167296
  • NII論文ID
    130007011522
  • DOI
    10.14848/esj.esj51.0.408.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ