冷温帯林におけるミズナラ林冠葉の温度-光合成特性の季節変化
書誌事項
- タイトル別名
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- Seasonal change in the photosynthesis-temperature relationship in canopy leaves of Quercus crispula
説明
光合成速度の温度依存性は同じC3植物でも種や生育温度によって異なる。光合成の生化学モデルに基づけば、光合成速度の温度依存性は(1)葉内二酸化炭素濃度、(2)RuBP(リブロース二リン酸)カルボキシレーション最大速度(Vcmax)の温度依存性、(3)RuBP再生最大速度(Jmax)の温度依存性、(4)カルボキシレーションと再生のバランス、の4つのパラメータに帰することができる。本研究ではミズナラの林冠葉においてこれらの要因がどのように季節変化をするのかを調べた。北大苫小牧研究林の落葉広葉樹林において、林冠クレーンを用い葉群最上部の葉の光合成速度を様々な温度・二酸化炭素濃度で測定した。測定は2001年・2002年にそれぞれ3回行った。20度で測定した光合成速度、気孔コンダクタンス、Vcmaxは春と秋に低く、夏に高かった。20度で測定したJmaxは春から夏にかけて上昇し、秋の低下は見られなかった。Vcmaxの温度依存性は春と秋に低く、夏に高い傾向を示し、生育温度と正の相関が見られた。一方その他のパラメータには明確な季節応答・生育温度応答は見られなかった。夏季にVcmaxの温度依存性が増加することにより光合成速度の最適温度が若干上昇していることが示唆された。
収録刊行物
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- 日本生態学会大会講演要旨集
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日本生態学会大会講演要旨集 ESJ52 (0), 540-540, 2005
日本生態学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205690348160
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- NII論文ID
- 130007011845
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可