コオロギの歌の配偶者選択における役割 - 鍵となるパラメーターの特定
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- 角 恵理
- 東京大学大学院 総合文化研究科
書誌事項
- タイトル別名
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- Role of cricket song for mate recognition - identification of key parameters
抄録
コオロギの歌は種特異的であり、種認識において重要な役割を果たすと考えられる。日本列島に分布する3種のエンマコオロギ属コオロギ(エゾエンマコオロギ、エンマコオロギ、タイワンエンマコオロギ)のメスに対してプレイバック実験を行い、配偶者選択において鍵となる歌のパラメーターを調べた。<br> 第一に、3種のメスに対して、3種のオスの歌を再生してきかせた。その結果、分布の重ならない2種間ではお互いの歌を選択しあう割合が高かったが、分布の重複する2種間ではそのような誤判別はまれであった。すなわち、分布の重複する2種の間では、自種の歌を正確に判別しており、交配前隔離に歌が有効に機能していることが示された。<br> 第二に、そのような判別は歌のどのパラメーターの違いに基づくものかを明らかにするために、コンピューターで合成した歌を再生しメスの反応を調べた。その結果、歌のパルスペリオドに関しては3種の平均値の歌をプレイバックした場合には、自種の平均値の歌を選択する傾向が認められた。一方、優位周波数については、そのような傾向は認められなかった。チャープ繰り返し率、パルス数については、3種のメスに共通して、チャープ繰り返し率が高くなるほど、パルス数が多くなるほど、選択するメスの割合が高くなった。<br> 以上の結果から、コオロギの歌は同所的に分布する近縁他種から自種を正確に判別するのに有効であること。その際の自種の認識には、歌のパルスペリオドが重要であることが示された。また、メスは、自種の歌がとりうる値の範囲を超えて、チャープ繰り返し率が高く、パルス数が多い歌を選択すること、すなわち超正常刺激に対する好みが示された。<br>
収録刊行物
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- 日本生態学会大会講演要旨集
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日本生態学会大会講演要旨集 ESJ51 (0), 300-300, 2004
日本生態学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205690543488
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- NII論文ID
- 130007012195
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可