キク科野菜の苦味はサラダとして調理すると緩和される
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- 堀江 秀樹
- 農研機構野菜茶研
書誌事項
- タイトル別名
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- Serving as salad relieves the bitterness of Cichorieae vegetables
説明
【目的】品種の異なるレタスを生のままで官能比較した結果、苦味の強いものが嫌われる傾向にあった1)。レタス等の苦味成分であるlactucopicrin(L)及びlactucopicrin oxalate(LO)については、先にHPLCを用いた分析法2)を報告しており、成分分析により、レタスなどのキク科野菜をサラダとして喫食する場合の苦味について解析した。<BR>【材料】苦味の強いキク科野菜であるエンダイブを栽培して実験に供した。<BR>【結果と考察】Lの検知閾値は0.5ppmと報告されている。LOについてはLよりも苦味が弱かった(閾値5ppm以上)。一方、レタスやエンダイブを分析した結果、LOがLより著しく多かった。3段階のpHのリン酸緩衝液(pH5.5,6.5,7.5)を用いてエンダイブから抽出したところ、Lは弱アルカリ性で抽出した場合に多く検出された。このことは、植物組織中では主にLOの形で存在したとしても、咀嚼中に唾液の作用でより苦味の強いLが生成する可能性を示唆する。エンダイブをそのまま食した場合と、市販のドレッシング(pH3.8、糖類、酢、醤油含む)をかけて食した場合とで比較すると、後者の方が苦味を感じないことが官能評価により示された。ドレッシングの酸の影響で、咀嚼中にLの生成が抑制されたものと推定される。一方、レタスにおいてはLOやLは主に乳液に含まれた。サラダとして盛りつける前に水洗浄すれば、乳液が除去され、LOおよびLの含量は低下した。これらのことから、サラダ調理において日常行われる洗浄やドレッシングの使用が、苦味成分Lの低下をもたらし、その結果苦味を緩和するものと考えられる。<BR>1)平成19年度野菜のおいしさ検討委員会報告書 2)Horie, 野菜茶研報告, 9, 189 (2010)
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 22 (0), 113-113, 2010
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205690785792
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- NII論文ID
- 130007012598
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可