「調理文化の地域性と調理科学-宮城県における魚介類の調理文化-」
書誌事項
- タイトル別名
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- Culture of cooking in the region and science of cooking-The specific chracteristics of fish and shelfish in Miyagi
抄録
【目的】宮城県における魚介類利用の実態調査を行ない、魚介類の食し方を調理、加工法、食文化に至る関連性について、地域性および伝統的調理の特性を検討した。<br>【方法】宮城県の9市39町1村に居住する269人にアンケート調査を行ない集計した。調査地域は宮城県一円とし、畑作の適地、稲作の適地、太平洋の沿岸部、仙台圏中心部、仙台圏ベットタウン、港町、蔵王連邦と阿武隈山系に囲まれた地域などである。<br>【結果】どの地域も一般的な大衆魚さんま、かつお、さけ、さば、あじ、たら、かれい等を刺身、塩焼き、煮つけ、みそ煮等にして食する家庭が多く、大衆魚の種類において特に地域による差はないが、その地域において特に多く食される魚の地域性がみられた。調理性では、海に近い地域ではさんま、いわし、さけ、たら、あじ、えび、しらす、たこ等も生、刺身、たたき、ぬたにしたり、塩焼きが多かった。焼き物では郡部は塩焼き、照り焼きが多いが、都市圏ではムニエル、チーズ焼き、ホイル焼き等多様な調理法がみられた。また、調理中には調味せず、出来上がった料理にマヨネーズ、トマトケチャップをかけて食す例もみられた。どんこ(あいなめ)、なめたがれい、めぬけ、赤魚、ほや、ほたて、かき貝、うなぎ、はも、あなご、めひかり、はぜ、生ざけ等は宮城県で漁獲、養殖される魚として特徴あるものであり、みそ汁、生食、照り焼き、かば焼き、煮つけ、だし用、飯物として、幅広く食されていた。地域による特徴もみられ、北上川流域では、あゆ、はや(うぐい)の塩焼きや、荒浜地域ではあさり飯、しゃこ飯、ほっき飯、はらこ飯と飯物にして食すことが多くみられた。魚の郷土料理の多いことが宮城の特徴といえることが裏付けられた。
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 16 (0), 171-171, 2004
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205690936832
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- NII論文ID
- 130007012805
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可