小麦粉を用いない含泡米粉食品の品質特性

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タイトル別名
  • Quality characteristics of cellular foods prepared with rice flour and without wheat flour

抄録

【目的】米の使用用途を拡大することを目指して、絹フィブロインと米粉を複合化させた含泡食品を調製する方法を開発し1)、グルテンを用いない含泡食品について検討してきた。本研究では豆乳の起泡性を利用することで卵を用いない含泡米粉食品を創製することを目的とした。<br>【方法】豆乳を撹拌し泡沫を調製した。これにショ糖またはキシリトールを加え、米粉を混合し生地を調製した。得られた生地を180℃30分+220℃8分間焼成してスポンジケーキ状の含泡食品を作製した。比較対照として卵白泡沫を用いたものも調製した。得られた含泡食品の比容積・水分含量・抵抗応力・色度を測定すると共にDSC測定・X線回折測定より老化速度を調べた。更に官能評価を行った。<br>【結果】ケーキバッターの粘度が低いほどそのケーキの比容積は大きくなったが、卵白泡沫を用いたものは逆の傾向を示した。また、キシリトールを用いたケーキよりもショ糖を用いたケーキの方が比容積は小さくなった。卵黄の添加効果を調べたところ、無添加のケーキに比べ比容積は大きくなった。初期弾性率・抵抗応力は低くなり、経時的変化も小さくなった。またX線回折測定により老化が遅くなることが明らかになった。官能評価の結果より、標準的な小麦粉・卵・ショ糖のケーキに比べ、米粉・豆乳・糖を用いたケーキは硬いがきめが細かく、しっとりとしてもっちりとした食感であると評価された。総合的には小麦粉を用いた場合と同程度に好まれる結果となった。以上の結果から、小麦粉のみならず卵も用いずに、米粉と豆乳・糖のみで嗜好性の高い含泡食品を作製しうることが示された。1) 藤井他:日本食品科学工学会誌 47(5),363-368(2000)

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205691100032
  • NII論文ID
    130007013075
  • DOI
    10.11402/ajscs.16.0.9.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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