御岳亜高山帯林における主要構成樹種4種の更新様式

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  • Regeneration patterns of four major species in a subalpine forest on Mt. Ontake

抄録

本州亜高山帯の主要常緑針葉樹種の共存機構を明らかにするため、稚樹の個体群構造と更新様式に関する調査を行った。調査地は岐阜県御岳北西斜面(標高約1900m)に位置し、オオシラビソ、シラビソ、トウヒを主要構成樹種とする原生状態を保つ亜高山帯常緑針葉樹林である。1991年に面積2haのプロットが設置され、2002年にプロット内に面積0.1ha(5m×200m)のベルトトランセクトを設定した。同年、ベルトトランセクト内の主要構成樹種の樹高≧30cm、胸高直径(DBH)<5cmの稚樹個体を対象に樹高と地際直径を測定し、定着マイクロサイト(土壌、岩、倒木、根株、根元、マウンド)を記録した。2004年に生死を確認し、生存個体と新規加入個体について樹高と地際直径を再測定した。また、林床の光環境を把握するため、ベルトトランセクトを2.5m×2.5mのメッシュに分割し、各メッシュの中央で撮影した全天空写真からrPPFDを算出した。ベルトトランセクト内に出現した高木性8樹種の稚樹個体密度は11780本/haであった。主要構成樹種のうち、オオシラビソの個体密度が7420本/haと最も高く、シラビソでは1980本/ha、トウヒでは1490本/haであった。トウヒのサイズ分布は、DBH≧5cmにおいてはベル型を示したが、稚樹ではモミ属と同様にL字型を示した。樹種により定着マイクロサイトに違いが見られ、オオシラビソは土壌、シラビソは土壌と倒木、トウヒは倒木に多く偏っている傾向が見られた。稚樹の空間分布とrPPFDとの関係についても解析した。これらの結果をもとに、亜高山帯主要常緑針葉樹種の更新様式について、定着マイクロサイトおよび光環境との関連性を検討した。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205691232000
  • NII論文ID
    130007013254
  • DOI
    10.14848/esj.esj52.0.504.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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