岡山県における豆類・いも類の食習慣とその地域性
書誌事項
- タイトル別名
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- Eating habits of beans and potatoes in Okayama and their regional characteristics
抄録
【目的】豆類・いも類の種類と大豆料理を指標に,現在の岡山県における食習慣の地域性とその背景を探った。【方法】岡山県の生活環境を考慮して調査地20カ所を選び,232名の主婦から現在使用している豆類・いも類の種類と調理法などについて,アンケートおよび聞き取り調査を実施した。調査対象者は30,40才代27%,50才代32%,60才以上40%であった。【結果】地域差が認められた食習慣をまとめると,(1)ささげや花豆は県南部地域で,青大豆は県中・北部地域で比較的出現が多く,干しずいきやむかご,こんにゃく芋,多種類の山芋類は県中・北部とそれに隣接する地域でみられ,自給中心であった。(2)豆腐は県中・北部地域で,こんにゃくは県中・北部とそれに隣接する地域で,現在でも手作りする習慣が存在していた。(3)大豆料理の種類は県中・北部地域に多く,呉汁,醤油豆,豆ご飯やおこわなどの伝統的な料理と揚げ物,サラダ,ハンバーグ,コロッケ,カレーなどの洋風料理の両方がみられた。(4)黒大豆料理も県中・北部地域に種類が多く,黒大豆のすしや巻きずし,揚げ物,黒豆ジュースやゼリー,黒豆豆腐,黒豆味噌やひしお,醤油漬けなど多彩であった。そして,仏事の黒大豆飯やおこわは県南部地域に,正月や祭りの黒大豆のすし類は県中・北部地域に多いという地域差を示した。(5)以上の結果より,岡山県の豆類・いも類の食習慣は,吉備高原を境として県中・北部と県南地域,そして両地域に隣接する3地域に大別できた。そこには栽培に適した環境,稲作転作や地域活性化事業などの政策,健康志向を反映した栄養委員や農協婦人部の活動や交流,調査対象者の年令や家族構成などが影響していた。
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 15 (0), 26-26, 2003
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205691481600
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- NII論文ID
- 130007013643
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可