障害者の調理活動喚起のための小冊子作成

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書誌事項

タイトル別名
  • The cooking manual which made for the disabled

抄録

【はじめに】家事の役割を担ってきた主婦や単身者が身体的に障害を有したまま退院して家庭復帰した場合、病前と同様に家事動作をこなすことは困難となる。このような現実に直面すると、障害者は身体的ばかりか心理的にも大きなダメージを受ける。今回、在宅復帰した障害者への支援策として、障害による調理動作の不便さ(問題点)を明確にし、動作や道具の工夫、調理意欲を向上させるための介入方法など障害者へ調理を導入する際の留意点、指導法をまとめた小冊子を作成した。 <BR>【方法】同意を得た身体障害者(脳卒中片麻痺者)10名に指定調理課題を提示し、その遂行状況をビデオ撮影したあと調理動作を分析、障害特性に起因する調理動作の特徴・問題点をまとめる。動作分析結果と文献検索から障害者に調理を導入・指導する際に活用できる冊子にまとめる。 <BR>【結果及び考察】身体障害者の動作遂行能力に影響を与える身体機能的要因として、装具(車いす・杖・カラーなど)、関節可動域、振戦、変形、疼痛、協調、感覚(表在・深部)、筋緊張、高次脳機能、認知、姿勢(バランス)、歩行障害などが考えられた。特に片麻痺者では片手動作となることが多く、両手動作であっても箸操作などの巧緻性の高い動作は困難となり、また作業中の移動はバランスを崩しやすい傾向があった。障害を有した者が自分でやりたいものの第一に「料理」を挙げている。調理活動には認知面や栄養などの総合的な知識も必要とすることから、心身効果が期待される活動といわれている。今回の小冊子を活用し、障害者調理の問題を解決することによって自分で料理し食べる楽しみや家族のために調理できる喜びを再獲得することは障害者の意欲的な在宅生活継続に繋がるものと考える。

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205692330624
  • NII論文ID
    130005044026
  • DOI
    10.11402/ajscs.24.0.178.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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