地理イラストによる地域情報地図作り

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書誌事項

タイトル別名
  • Making of a Regional information Map by Using Geographical Illustration
  • A case study of Elementary School Safety Map
  • 小学校安心安全マップを事例に

抄録

本研究は、地図表現にイラスト技法を取り入れることによって、地域環境や情報に親しみやすく馴染むベースとしての地図を作り、読図者に対してわかりやすく、かつ共感をもたらすインターフェイスの手法を作り上げることを目的としている。<BR> 事例研究として、小学校区における地域住民と生徒が活用できる安心安全マップを作成し、その効果を検証した。<BR> 小学校区の子どもの通学、遊びにおいて地域の安全情報は重要な課題になっており、一つの手法として各地で安心安全マップの作成が盛んになっている。地域の安全情報をいかに収集するか、わかりやすく示すか、そしてその情報をどうしたら効果的に共有できるかという点について、実践をともなった議論が重要な課題となっている。<BR> 事例では、校区内の保護者に集まってもらい討論することにより、情報を収集したが、討論の場を設けたこと自体が、参加者にとって情報共有や横のつながりの構築といった点で有意義なものとなった。また、いくつかの異なる視点からの情報によって、地域の特徴や地域の大人および子どもが必要とする情報を明確にすることができた。 地図化にあたっては、生活行動範囲における道路や基準軸になる河川などを描き、生活になじんだランドマークを具体的イラストで記した。これによって安心安全マップが親しみやすく受け入れられ、位置や情報の把握と地図によるコミュニケーションが活発化することを目指した。 さらに作成した地図によって地域情報が明確になり討論が深まるとともに地図を通じて地域への共通理解が促進されることが期待される<BR> ●地図の作製のポイント ・PTA作成の手描き地図を参照し、基本的な構成や情報を用い、その一般化をはかった。 ・校区内で異なる特徴を持つ地区に居住する保護者に協力を求め、地域の環境や情報について討論の場を持ち、その結果を地図に反映させた。 ・地図の情報がだれにでもわかりやすく受け止められることに主眼をおいた。 ・地域の特徴が表現でき、場所や位置関係がわかりやすく把握できることを目指した。 ・安心安全情報が的確に示され、注意を喚起できるアイコンの形を追求した。 ・汎用性をもち、情報の更新や共有を容易にするため、市販コンピュータソフトを用いて描画を行った。作成した図形はすべてベクトルデータとすることにより、任意に拡大縮小することを可能とした。 ・地名・施設名は一般的に通称が使用されているものは親しみやすさと理解を優先して通称と正式名を併記した。 ・校区を中心とし、その周辺でも遊びなどで出かける機会の多い場所は記した。 ・坂や起伏の多い事例地区ならではの注意喚起ができるよう、地図表現を工夫した。 ・親子で対話しながら個別家庭に即した地図にアレンジできる様式を提案した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205692342912
  • NII論文ID
    130007014751
  • DOI
    10.14866/ajg.2008f.0.142.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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