炭素鎖の異なる脂肪酸塩による小麦粉パンの生地改良効果
書誌事項
- タイトル別名
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- Improving the bread-making properties of the dough by fatty acid salts
説明
【目的】近年、機械による大量生産により様々なパン生地改良剤が使用されており、特に乳化剤はパン体積の増加や食感の改善、老化防止の役割を果たしている。本研究では従来の乳化剤に代わる新しい新規乳化剤として脂肪酸塩に着目した。脂肪酸塩は脂肪酸とアルカリからなる塩であり、抗カビ効果を有することが先行研究により明らかとなっている。そこで本研究では脂肪酸塩を生地添加剤として用い、各種脂肪酸塩における製パン性の評価を行った。<br />【方法】使用した脂肪酸塩はカプリル酸カリウム(C8K)、カプリン酸カリウム(C10K)、ラウリン酸カリウム(C12K)、ミリスチン酸カリウム(C14K)、パルミチン酸カリウム(C16K)、ステアリン酸カリウム(C18K)で各脂肪酸塩をそれぞれ350 mM、pH 10.5に調整した。パン生地は小麦粉(日清製粉(株))100 g、砂糖5 g、食塩1.7 g、ドライイースト(日清製粉(株))1.7 g、水68 mL、各種脂肪酸塩を添加して手で500回混捏した。調製したパン生地について、日本イースト工業会のパン用酵母試験法に基づき、生地膨張力試験を行った。生地比容積は100 gに調整し、180℃のオーブンで15分間焼成。常温まで冷ました後に一定容量の容器とガラスビーズを用い、菜種置換法により比容積を測定した。<br />【結果】小麦粉生地での120分後の生地膨張力試験ではコントロールの生地膨張力と比較し、C14K、C16K、C18Kの炭素鎖が14以上の脂肪酸塩において生地膨張力の増加が認められた。また炭素鎖が14以上の脂肪酸塩では生地膨張が認められた一方で焼成後における比容積試験では、各種脂肪酸塩添加による比容積に影響を及ぼさなかった。
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 29 (0), 81-, 2017
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205692723712
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- NII論文ID
- 130006035247
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可