Solifluction Lobes on the Mountainous Slope to the East of Esso, Central Kamchatka, Russia

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  • カムチャツカ半島中央部,エッソ東方山地斜面におけるソリフラクションローブ

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カムチャツカ中央低地帯西方、スレディニ山脈内に位置するエッソ(ビストリンスキー地方中心地)周辺において実施した地形学的・地生態学的研究の一環として、エッソ東方8 kmの主稜線直近の緩斜面上に広く分布するソリフラクションローブ群について調査を行った。 当該斜面(55.9°N, 158.8°E付近)の標高は約1,200-1,280 m(周辺の森林限界高度は800-900 m)、主稜線鞍部をはさみ西向き・東向き斜面に分かれる。斜面長は西斜面で650 m、東斜面で250 m、平均勾配は双方とも9°前後を示す。基盤は鮮新-更新世?安山岩質火山岩・火砕岩類で構成され、これらはほぼN-S走向15-20°W傾斜の同斜構造をなす。なお本地点周辺における年平均気温は、エッソ北西方約4 kmの溶岩台地上の観測地点(標高1,034 m)にて〓3.7℃(1999年?2000年)、エッソ(標高480 m)で〓1.7℃(2001年?2002年)である(いずれも曽根ほか, 未公表)。また付近におけるいくつかの試掘や地温測定結果から、当斜面では最深で、地表下1.5 m程度に永久凍土面が存在すると考えられる。 当該斜面において、比較的大規模なローブが列状をなして西斜面に4段、東斜面に1ないし2段、それぞれ認められる。いずれもriser高は1 m程度で、時に3 mに及ぶ。これらのうち東斜面に存在するローブの形状と地下断面を図示する。ローブ内部は、基盤岩に由来する砂混じりシルトに大礫大の角?亜角礫を不均質に含む堆積物で構成され、腐植土などの有機物層が地表下に頻繁に潜在するのが観察される。堆積物全体の変形・移動過程の詳細を明示することは出来ないが、有機物層が3ないし4重に折り畳まれ、(見かけの)層厚50 cm程度以下の規模による堆積物移動の重ね合わせで、この規模のローブが形成・維持されている可能性も想定される。腐植土の年代測定結果からローブの前進速度は、約0.6 cm/yrと見積もられる。  上記の大規模ローブ上には、幅3-4 m、riser高30 cm程度の小規模ローブが数多く認められ、とくに西斜面では大規模ローブriser部において小規模ローブ群が密に分布する傾向が顕著といえる。これらの小規模ローブは地表において、その中核に高含水状態にある粘土質シルト(時に礫混じり)からなる裸地を形成し、これを植被のある高まりが周囲を縁取るように、全体として斜面下方に伸張する形態をなしている。小規模ローブ群の上端は、その分布からみて、基盤岩の岩相および溶岩ユニットの境界に一致しているように観察される。このことから、融雪期?夏期における基盤岩からの滲出水の流動経路に沿うように、小規模ローブが発生・成長し、これらが重層的に繰り返されることにより、本地点の大規模ローブが形成されている可能性があるといえる。 堆積物の液性限界、上載荷重・凍結圧等増加時の間隙水圧上昇に伴う堆積物の流動状況を把握することが、本地点のソリフラクションローブ形成を議論する上で必要であろう。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390001205692901376
  • NII Article ID
    130007015486
  • DOI
    10.14866/ajg.2005s.0.172.0
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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