近畿における行事と行事食の認知・経験の世代間比較(奈良県)

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タイトル別名
  • The comparison between generations on acknowledgement and experience of traditional event food in Kinki(Nara)

抄録

【目的】近年、伝統的な行事食の伝承が少なくなっているといわれる中、平成21、22年度の日本調理科学会特別研究として実施した「行事食調査」より、年中行事の認知と経験、関連する行事食の状況について、奈良県の現状を把握し、学生とその親の世代間による違いについて明らかにすることを目的とする。<BR>【方法】平成21年12月~平成22年3月、日本調理科学会「行事食調査」の全国統一様式の調査票により、大学生およびその家族にアンケート調査を実施した。そのうち、奈良県在住者の子世代(10・20歳代)150名と親世代(40・50歳代)114名について、正月、節分、上巳、端午、月見、クリスマスなどの年中行事の認知度、経験、行事食の経験、調理状況について検討を行った。<BR>【結果】正月、節分、お月見、クリスマス、大晦日は子・親世代ともほぼ100%の認知であり、正月、節分、クリスマス、大晦日は子・親世代ともに90%以上が経験していた。重陽の節句の認知度は、子世代17%、親世代29%、経験は子世代5%、親世代10%でともに低かった。春・秋の彼岸の中日の経験は、子世代と親世代では違いがみられた。行事食では、正月の雑煮・黒豆・かまぼこ、節分ののり巻き、クリスマスケーキ、年越しそばの喫食経験が特に高かった。ほとんどの行事食で、喫食経験や食べる頻度は子世代のほうが低かったが、クリスマスケーキ、年越しそばの食べる頻度は子世代のほうが高かった。家庭で作る割合が子・親世代ともに高く、50%以上の行事食は、雑煮、上巳のごはん・すし、冬至の南瓜の煮物、年越しそばであり、購入する割合が50%以上の行事食は、正月のかまぼこ、土用のうなぎの蒲焼き、月見だんご、クリスマスケーキであった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205693009280
  • NII論文ID
    130007015696
  • DOI
    10.11402/ajscs.23.0.127.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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