貯蔵精白米の炊飯による物性および成分変化
書誌事項
- タイトル別名
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- Changes in physical properties and chemical components of cooked rice during storage
説明
【目的】米の貯蔵による生米中の成分変化や、古米の食味改善方法については多くの研究がなされてきた。貯蔵の間に酵素作用により遊離脂肪酸、カルボニル化合物、還元糖量やペプチド、アミノ酸が増加することが報告されている。しかし、貯蔵精白米の糖、アミノ酸などの成分変化とその炊飯米の官能評価との対応についてはほとんど検討されていない。そこで本研究では、貯蔵による精白米の炊飯後の成分変化と食味について、成分分析および官能評価から明らかにすることを目的とした。<br> 【方法】歩留り90%に搗精したコシヒカリを、37℃, 75%RH条件下で10-60日間貯蔵し、貯蔵精白米とした。貯蔵精白米の飯の状態を、色(色差計)、テクスチャー特性(テクスチャーアナライザー)、官能評価(7段階評点法、嗜好意欲尺度)により把握した。また、生米について洗米水のpH、脂肪酸度、米粉より調製したデンプンの糊化特性を、生米および飯について全糖量、還元糖量、遊離アミノ酸量を測定した。 <br> 【結果】貯蔵により、米飯の黄色味が増加し、粘りおよび付着性は60日貯蔵で低下した。官能評価による白米としての飯の受容度は、貯蔵30日で好まれなくなることを示した。また、生米の洗米水pHおよび脂肪酸度は、貯蔵に伴い低下および上昇し、生米での貯蔵中の脂質酸化による酸度の上昇を示した。還元糖量および総遊離アミノ酸量は、貯蔵に伴い生米では増加したが、飯ではこれらの成分の貯蔵期間による差が減少した。これらのことから、貯蔵期間が長くなると、米中のデンプン分解酵素活性やタンパク質分解酵素活性が低下し、炊飯による糖およびアミノ酸の増加量は減少することが示唆された。
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 26 (0), 55-, 2014
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205693725824
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- NII論文ID
- 130005481373
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可