マイタケ抽出液の注入による食肉軟化とタンパク質の変化
書誌事項
- タイトル別名
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- Tenderization of meef by injection of maitake(Grifola frondosa) extract, and change of meat protein
説明
【目的】肉は重要なタンパク質源であるが、加熱により硬くなる。我々はマイタケ抽出液を肉と一緒に真空パックし、70℃でスチーミングすることにより効果的に食肉軟化ができることを報告している。しかし、マイタケ抽出液浸漬中に、肉表面のタンパク質が過度に分解され、「べたつき」が生じ食味が低下することが課題であった。本研究では、「べたつき」を改善する方法として、マイタケ抽出液の注射注入による食肉軟化を試み、タンパク質の変化を中心に調べた。<br>【方法】試料としてオーストラリア産の牛もも肉、新潟県産のマイタケを用いた。マイタケ重量の2倍量の水と一緒にホモジナイズし、濾過した液をマイタケ抽出液とした。マイタケ抽出液を注射注入した肉(mi肉)、マイタケ抽出液と真空パックした肉(mvp肉)、水と一緒に真空パックした肉(wvp肉)、未処理の肉(nt肉)を70℃で2時間または6時間スチーミング加熱し、破断応力を比較した。また、マイタケ抽出液の作用による肉の可溶性タンパク質量、分子量パターン(SDS-PAGE)の変化について調べた。<br>【結果】mvp肉、mi肉の破断応力はwvp肉、nt肉の破断応力の約60%に低下した。mi肉とmvp肉の破断応力には差がなかった。可溶性タンパク質量は、加熱により減少し、nt肉では加熱時間が長い方が少ない傾向が見られた。一方で、mi肉はnt肉に比べ可溶性タンパク質量が多く、加熱時間が長い方が多い傾向であった。またSDS-PAGEでは、可溶性タンパク質、筋線維タンパク質ともにnt肉に比べmi肉において15kD以下のバンドが濃く、筋線維タンパク質ではミオシン重鎖と思われる200kDのバンドが薄かった。
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 26 (0), 178-, 2014
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205693798656
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- NII論文ID
- 130005481325
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可