宮古島東平安名岬西方、太陽泉(ティダガー)で確認された石灰華段の形成年代
書誌事項
- タイトル別名
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- Calibrated radiocarbon age of travertine deposits collected from Tidagah, west of Higashihennna Promontory, Se of Miyako Island, SW Japan
抄録
1. 研究目的<BR> 宮古島の南東、東平安名岬西方の宮渡崎太陽泉(通称:ティダガー)に発達する石灰華段(小元 2010)の形成年代を明らかにするため、その構成物質、湧水および隣接するビーチロックに含まれていた貝化石を採取し、β線計測法およびAMS法により14C年代測定を行ったので、その結果について報告する。<BR><BR> 2. 研究方法<BR> 野外調査により石灰華段の分布範囲を確認し、その特徴を調査した。精密地形図を作成するためレーザーレベルやトータルステーションによる基準点測量と地上型3Dレーザースキャナーによるデジタル写真測量を行った。年代測定用の試料を採取し、日本大学においてβ線法、名古屋大学においてAMS法で14C年代測定を行 いCALIB 09 (Reimer et al 2009) により歴年代を求めた。また石灰華段を涵養している湧水および海水について、pH・RpH、電気伝導度の測定、ならびに主要無機成分の水質分析を行った。<BR><BR> 3.考察および結果<BR> (1) 石灰華段は海抜約30mの海成段丘崖下の斜面上、海抜約5mから低潮位までの間に幅約30m、長さ約100mにわたり発達している。石灰華段は長径1.8mから数cmまで様々な形態を呈する。またその段差は5mmから約1mまであり、総数は300枚以上である。<BR> (2) 湧水の14C年代が約200年前を示したことから、琉球石灰岩層の影響が示唆された。湧水の化学成分分析結果は、湧水が琉球石灰岩層を通過した際の影響を示している。<BR> (3) 石灰華段堆積物のrim stoneから採取した試料は、奇妙なことに現在地上で生育している植物とほぼ同じ14C濃度を示した。一方簡易ボーリング・コア最下部(20cm~40cm下方で基盤岩直上)から採取した試料の年代はβ線測定法とAMS法で測定値に大きな開きがみられた。詳細な検討結果については当日発表する。<BR><BR> 参考文献<BR> 小元久仁夫. 2010. 宮古島で観察された石灰華段、津波石および膠結海浜砂層の特徴. 日本大学文理学部自然科学研究所「研究紀要」, 45: 83-94.<BR> Reimaer PJほか. 2009. IntCal09 and Marine 09 Radiocarbon age calibration curves, 0-50,000 years cal BP. Radiocarbon , 51(4):1111-1150.<BR><BR>
収録刊行物
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- 日本地理学会発表要旨集
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日本地理学会発表要旨集 2010f (0), 83-83, 2010
公益社団法人 日本地理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205693889408
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- NII論文ID
- 130007016828
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可