電子水分計による食品中水分測定値の精度について

書誌事項

タイトル別名
  • Accuracy of moisture content in foods determined by electronic moisture analyzer

説明

【<B>目的<B>】ヒトが1日に必要とする水分量(約2.5L)のうち40~50%は,食品から供給されている。水分は,体液の浸透圧の維持をはじめとする生体の恒常性維持に不可欠な成分であるばかりでなく腎臓病等の傷病者の栄養管理にとっても重要な管理項目であり,食品中の水分を迅速に測定することは意義がある。食品中の水分は一般に加熱乾燥法により測定されるが,加熱に4時間程度の時間を要する。最近,種々の加熱装置と天秤を組み合わせた電子水分計が,給食管理等の現場で簡易法として利用されつつある。本研究は,電子水分計を用いて食品中の水分を測定し,その精度を把握するとともに従来法との比較を行うことを目的とする。<BR>【<B>方法<B>】電子水分計(ザルトリウス社製MA35)を用いて,食品成分表収載食品のうち油脂類を除く17食品群,計49食品について水分を測定した。分析値は9回繰り返しの平均値とし,その標準偏差%から測定精度をみた。また,別に11食品について,電子水分計による方法と加熱乾燥法による測定値の比較を行った。<BR>【<B>結果<B>】試料当たりの測定時間は5~30分であり、電子水分計から得た49食品の標準偏差%は,数食品で10%を超えたが,概ね5%以下であった。このばらつきは概ね水分含有量に依存しており,水分含量5%以下ではばらつきが大きかった。また、加熱処理を伴った食品(種実類等)では原材料食品に比べてばらつきが大きくなる傾向を示した。加熱乾燥法による測定値との間では,広範囲で直線性が得られた(r=0.9995)。このことから,電子水分計による測定法は簡易・迅速法として満足すべき精度を有する方法といえる。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205694258048
  • NII論文ID
    130007017368
  • DOI
    10.11402/ajscs.22.0.81.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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