大学生を対象としたアンケート調査による国内旅行と旅行情報源について
書誌事項
- タイトル別名
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- Preliminary Results of a Questionnaire on Domestic Tourism by Undergraduate Students
説明
1. はじめに 筆者らは2013年春から研究グループを立ち上げて(水と人の地誌研究グループ)、地誌学的な視点の一般への普及の手段として、地誌学の視点から地域を総合的に理解する旅行ガイドブックを作成、出版することを目標に活動している(長谷川ら2013)。旅行者がそのようなガイドブックを読むことで地理学的視点が身に付くようになるのではないかと考える。しかしそもそも旅行者は旅行に何を求め、旅行の際にはどのように情報を得ているのか。それらを地理学的視点から検討した上で、地誌学的視点を盛り込んだ旅行メディアの作成をする必要があると考えた。そこで、本報告では予備調査として、大学生を対象に行った国内旅行に関するアンケートの調査結果について報告する。 2. 研究方法 アンケートの質問項目は、属性(6問)、一般的な興味・関心(3問)、旅行へ行く頻度等(4問)、旅行先とその目的、情報入手先(11問)、旅行ガイドブックそのもの(12問)の計36問とした。なお、本研究での「旅行ガイドブック」とは、雑誌や書籍の状態になっている印刷物を指す。 アンケートは、2013 年度に関東地方の5つの大学で実施した。実施した大学は以下の通りである。 国士舘大学(回答数27:以下同じ) 、清泉女子大学(37)、東海大学(111)、立正大学(154)、早稲田大学(55)、合計回答数は384 である。 なお、一部の質問は「主なもの3 つ」などと複数回答を指示しているものもあるので、グラフ毎に合計回答数をn で示した。 4. 結果及び考察 学生たちが旅行先を決めるきっかけとなるのは、テレビ番組、雑誌や書籍、旅行ガイドブックといった旅行に関係するメディアが多く、その次に知り合いからの話が多い(図1)。興味深いのは趣味に関連するものも多いことである。これは例えば城めぐりや鉄道といった特定のテーマに基づくものが考えられる。 図2に示したように、旅行地を決めた後に旅行先の具体的な情報を得る手段としては、B)旅行ガイドブックが170に対して、インターネットコンテンツの種類であるE)、F)、H)のそれぞれは旅行ガイドブックより利用者数が少なかったものの、3種類をあわせると286であった(図2)。近年ではネットの記事で多くの情報が得られるため、旅行ガイドブックの購入量は減少傾向にあるようだが(旅行関係出版関係者私信)、1種類のメディアの利用者としては旅行ガイドブックを利用している人が多いことがわかった。演者らは書籍の形でのガイドブックの作成を目指しているがネット上のコンテンツも検討している。今後、旅行者がネット情報とガイドブックとをどのように使い分けているかについて詳細に分析できるかが課題である。 文献: 長谷川直子ほか 2013.地誌学的視点の一般への普及‐旅行ガイドブックを使った試み‐,日本地理学会秋季発表要旨集.p136.<br>
収録刊行物
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- 日本地理学会発表要旨集
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日本地理学会発表要旨集 2014s (0), 100046-, 2014
公益社団法人 日本地理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205694791040
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- NII論文ID
- 130005473615
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可