複雑な地形条件でのリモートセンシング蒸発散モデル: アルゴリズムと初期検証

DOI
  • 艾 治頻
    国立環境研究所 地域環境研究センター
  • 王 勤学
    国立環境研究所 地域環境研究センター
  • 楊 永輝
    中国科学院 遺伝・発育生物研究所 農業資源研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • A remotely sensed EvapoTranspiration model for Complex Terrain conditions : algorithm and initial validation

抄録

現在、地域的または世界的規模の蒸発散量(ET)は、通常、リモートセンシング法によって推定され、データの希少地域にとって非常に有用である。 近年、Sim-ReSET(Sunら、2009)やTTME(Longら、2012)など一連のリモートセンシングに基づくETモデルが開発されている。 しかし、これらのモデルは、通常、平地で平らな地表面で開発・検証されたため、複雑な地形条件で適用する際に誤差が大きい。 本研究は、主にPriestley-Taylorモデルをベースにした複数な地形条件を考慮した新しいリモートセンシングETモデルを開発した。このモデルは、少数のリモートセンシングデータのみの入力を備えた2ソースモデルであり、Wangら(1999)とLongら(2010年)が改良した日射、正味放射および日単位のETなどの推定法を導入した。 さらに、LongとSingh (2012)が改良した水不足指数(WDI)の推定法も含まれた。 ケーススタディエリアとしては中国北部にある地域を選んだ。そこでは、2014年には、Landsat 8 OLI_TRIS画像が9シーン(DOE 14,30,94,142,158,206,222,318、および350)を入手した。また、ASTER Global Digital Elevation Mapデータを用いて標高、勾配、勾配などの地形データを解析した。 モデルの性能を検証するため、対象地域に設置していた二つのサイト、つまり、山地(37.90494o N、114.24903o E)と平地(37.88444o N、114.68472o E)での観測データを用いた。 検証の結果によると、適合した散乱点は1:1の線の近くにあり、山地と平野での相関係数(r2)は、それぞれ 0.87と0.97であった。また、相対誤差はそれぞれ0.69と0.4mm day-1であり、平均の絶対差はそれぞれ0.48と0.3mm day-1であった。 これらの結果から、このモデルが山地と平野の両方で許容可能な精度で地域スケールでETの季節変動を捕捉できることを示した。 しかし、モデル中の気温(Ta)と地表面温度(Ts)は、局所的な経験式を用いて推定されたため、モデルの適用範囲を制限する可能性があると考えられる。今後、このような問題に取り組み、特に山地でより多くのデータを収集し、更なる精度検証を行う予定である。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205695184640
  • NII論文ID
    130005635860
  • DOI
    10.14866/ajg.2017s.0_100333
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ