長野県佐久市における内水面養殖業の変容(1)

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Changes of inland aquaculture in Saku city, Nagano prefecture (1)
  • 佐久鯉に着目して
  • Focus on Sakugoi

抄録

本研究では、水田を利用した内水面養殖業が盛んに行われてきた長野県佐久市を取り上げ、佐久鯉に焦点を当てることで地域の内水面養殖業の変容を明らかにすることを目的とする。<br> 現在では水田養鯉はほとんど行われなくなり、一部の自給的な生産を除き、養鯉のほとんどが内水面養殖業に特化した事業者によって担われるようになった。これらの事業者は養魚事業者、加工事業者、自給的養魚者の3つに類型化できる。事業者は佐久鯉の養殖だけでは現在経営を成り立たせることは困難であり、他の収入源を確保した上でコイの取り扱いを継続している。<br> 厳しい経済状況でコイの取り扱いが継続されている背景として、地域に根差した鯉食文化の存在を指摘できる。佐久市では正月や慶弔時にコイを食べる習慣が維持されているほか、佐久鯉まつりの開催など地域のシンボルとして佐久鯉が活用されている。また市民団体・佐久の鯉人倶楽部による佐久鯉復権運動、食育活動、佐久鯉を活用した新商品の開発など、佐久鯉の消費拡大に向けた取り組みが行われ、地域の内水面養殖業を支えている。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205695614848
  • NII論文ID
    130005481492
  • DOI
    10.14866/ajg.2014a.0_1
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ