「地理B」における地誌の取扱傾向について

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タイトル別名
  • The trend of dealing with "Geography B"
  • -富山県の県立高等学校を例にして-
  • -According to the servey of geographic teachers at Toyama prefectural senior high schools-

抄録

1.富山県の県立高等学校における「地理B」の状況 <br> 先日、富山県高等学校教育研究会地理部会の平成27年度高等学校使用教科書研究協議会が開催された。平成27年度に富山県の県立高等学校で使用する予定の地理の教科書に関する会議である。 平成27年度では富山県の全日制・単位制の県立高校43校(特別支援学校を除く。以下同じ。)のうち、地理Bの教科書の採用を予定している学校は35校(81%)であった。その35校のうち、全日制は31校で30校が2・3年で使用する予定となっている。1校だけが3年のみでの使用である(これが発表者の勤務校である富山県立高岡高等学校)。地理Aの使用予定と重ね合わせると、すべての県立高校で地理の教科書を採択する予定となっている。<br>2.地誌領域の取扱傾向について <br> その会議の席上で、参加者に簡単なアンケートを実施し、新学習指導要領において「地理B」における地誌領域の実施予定を質問した。アンケートの回答数は19である。各個人で回答してもらったので、必ずしも学校数とは一致していないが、大まかな傾向は把握できると思われる。 アンケートによると、地誌領域の開始は早くて3年(履修2年目)の5月、遅いと11月と半年以上の差がある(図1)。 各校で内容にかなり開きがあるものと思われる。また、『重点的にあつかう予定の地域』を3つあげるように聞いた(項目は帝国書院『新詳地理B』を参考とした)ところ、「東アジア」・「東南アジア」・「ヨーロッパ」・「アングロアメリカ」の4地域が回答の半数以上を占めた。それに対し、「北アフリカとサハラ以南のアフリカ」・「ロシア」は0、「西アジアと中央アジア」が1と大きな差が出ている(図2)。  さらに、『取り扱わない可能性がある地域』を尋ねたところ、無回答が多かった。前項の質問『重点的にあつかう予定の地域』で無回答がなかったことと比べると大きな違いが見られる。富山県の高校「地理B」では、すべての地域を網羅的に取りあげる傾向が見て取れる。ただ、その中でも、「北アフリカとサハラ以南のアフリカ」・「ロシア」は、『重点的にあつかう予定の地域』との裏返しの様子がはっきりと現れている。(図3)。 以上のことから、富山県の高校「地理B」では、各校において教材の精選も含め多様な授業が展開されている様子が浮かび上がる。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205695671424
  • NII論文ID
    130005481464
  • DOI
    10.14866/ajg.2014a.0_158
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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