日本におけるクルーズ船とインバウンド観光の分析―地理学の視点から

書誌事項

タイトル別名
  • An analysis of cruise ships and inbound tourism in Japan from a geographical perspective

説明

国土交通省の発表によると、2015年にクルーズ船が日本に寄港した回数は外国船965回、日本船487回、その合計は2010年の1.56倍で過去最高の1452回に上った。また、クルーズ船による外国人旅行者数は1.116.000人で昨年の2.68倍になり、外国人旅行者全体の増加率(1.56)を大きく上回っている。日本における寄港地を見ると、特に博多、長崎、那覇、鹿児島、つまり新しいクルーズ市場として注目を浴びている中国に近い九州沖縄地方の成長が目立つ。しかし、博多港は2012年の89回から2013年19回に落ち、その後2015年245回に増え、急な増減も珍しくないクルーズ船は一度に多くの観光者を運び、ショッピングなど地域での消費者需要が喚起され、地方創生に資することが期待されている一方、大型船が起こす環境汚染やクルーズ市場における大手会社の影響力、観光者の集中による地域への負担など、問題点も多く指摘されている。本発表では、グローバル・スケールで取り上げられている問題を整理した上で日本における近年の状況を把握し、また、広島の事例から個別観光地における課題を調べ、日本における外国船クルーズの影響を分析するための枠組みを地理学の視点から検討する。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205695798912
  • NII論文ID
    130007018035
  • DOI
    10.14866/ajg.2016s.0_100250
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ