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Communication among natural and social scientists in interdisciplinary research

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Other Title
  • 学際共同研究における「文系」と「理系」の交流
  • 学際共同研究における「文系」と「理系」の交流:G-COEプログラムを事例として
  • G-COEプログラムを事例として
  • A case study in a G-COE program

Abstract

環境問題のような自然と社会の接合領域を扱う際に、自然科学者と人文社会系学者の協働が必要とされることがある。文理融合型の学際共同研究はその典型であり、これまで日本でも様々な研究が行われてきた。 にもかかわらず、このような学際共同研究において行われた交流を具体的に検証した研究は少ない。よって本研究では、あるG-COEプログラムを事例に、文理の枠を超えた様々な専門分野からなる研究者の交流を、その阻害要因に着目して検証した。<br>研究対象としては、京都大学東南アジア研究所を主幹として2007-12年度に実施されたG-COEプログラム「生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点」の研究班である「研究イニシアティブ3」をとりあげる。この班では、インドネシアにおける森林プランテーションと地域社会との関わりについて、遺伝子工学から文化人類学にいたる多様な専門分野からなる研究者が共同研究を行っていた。この班に直接・間接的に参加した研究者16名への聞き取りや私信と、プログラムの内部資料や研究成果物をもとに、研究者の交流の実態とその障壁に関する分析を行った。<br>その結果、研究の進展に影響を与えたいくつかの交流の障壁が明らかになった。最も重要なものは、研究の「現場」における自然の社会政治的な構築や科学の政治性に関する見識である。工学系研究者が、協力者であるプランテーション企業との産学連携が現地に及ぼす潜在的な影響に概して無関心であったのに対して、人文社会系研究者はこの点に非常に敏感であった。この相違は、研究テーマの設定と調査地選定の過程でしばしば顕在化し、工学系、人文社会系双方の研究者の離脱と初期における研究の停滞を招いたのである。 <br>そのような中で、上記の見識をある程度共有した生態学者や、自らの研究姿勢に折り合いをつけた一部の人文社会系研究者が研究を継続した。調査地を決定し、両者の交流のもとに現地調査を行い、最終的に書籍の共同執筆にこぎつけた。ただし、この段階においても、交流が必ずしも円滑に進んだわけではないことが聞き取りから明らかになった。研究手法やデータの解釈、課題の優先順位や概念化の方法等に関して生態学者と人文社会系研究者の溝は埋まらず、結果として協働を部分的なものにしてしまっていた。<br>以上の結果は、研究者が交流する上での第一歩として、研究の「現場」をイメージするための背景知識や感覚の共有が決定的に重要だったことを示している。なお、このことは、必ずしも上記の背景知識が共有できない研究者にとって交流が徒労におわったことを意味するわけではない。離脱した研究者の中には、交流によって上記の背景知識や「現場」感覚を深め、それが離脱後の研究姿勢に大きく影響を与えた例もみられた。このような交流の長期的な「教育効果」も、文理融合型の学際共同研究を評価する際の重要な要素として、今後検討していく必要がある。

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