The commodification of rural spaces owing to ther development of organic agriculture in the Kootenays, British Columbia, Canada
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- Tabayashi Akira
- University of Tsukuba
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- Kikuchi Toshio
- Tokyo Metropolitan University
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- Waldichuk Tom
- Thompson Rivers University
Bibliographic Information
- Other Title
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- カナダ・ブリティッシュコロンビア州のクートニー地域における有機農業の発展にみる農村空間の商品化
Abstract
研究の課題 この報告では、カナダのブリティッシュコロンビア州のクートニー地域において、どのような形での農村空間の商品化がみられるかを、主として事例農場の観察に基づいて明かにする。クートニー地域はブリティッシュコロンビア州の南東端に位置し、面積5.8万km2、人口14.6万の地域である。肉牛の放牧と牧草生産が農業の中心であるが、クートニー川やコロンビア川沿いの低地やロッキートレンチなどでは、果樹やベリー類、野菜の生産、養豚や養鶏、養蜂などが行われている。<br>有機農業によるダイレクト・マーケッティング キャスルガーの北10kmに位置するG農場は、30歳代前半の夫婦が2015年に始めた野菜農場である。0.5haの耕地と5aの温室で、40種類以上の野菜を有機農法によって栽培している。CSA(Community Supported Agriculture)によって、40人の消費者に野菜ボックスを届けるほか、ファーマーズマーケットやクートニーCOOPなどに出荷している。ネルソンの北西20kmにあるR農場も0.6haの耕地で70種類にものぼる有機野菜を栽培している。労働力は30歳代後半の経営主夫婦と2人の研修生である。この農場でもCSAによる出荷と自分の直売所やファーマーズマーケット、クートニーCOOPで野菜を販売している。クランブルクの北西15kmに位置するF農場も2.8haの耕地で野菜やベリー類の有機栽培や養蜂を行い、さらにパンを製造し、それを農場の直売所やファーマーズマーケットで販売している。<br>畜産農場でも有機農業が増加している。クレストンバレー南部にあるK農場は200haの農地で飼料を有機栽培し、約100頭の搾乳牛を飼養している。生乳とチーズを、クートニー地域全域に販売している。2005年頃に、通常の酪農から有機農業に転換した。クランブルックの東20kmに位置するC牧場は2012年に始まったもので、65haの放牧地で200頭の羊、11頭の肉牛、130頭の豚、2000羽の鶏を放し飼いにしている。クランブルックの業者によって処理された肉類は、周辺の都市のファーマーズマーケットやクートニーCOOPで販売され、さらにレストランにも供給される。<br>クートニー地域における農村空間の商品化 クートニー地域では人口が少ないことや輸送コストが高いことが、地元向けの食料生産を拡大させている。地元産の新鮮・高品質で、安心・安全の農産物に対する需要が高まっており、それがこの地域での有機栽培とダイレクトマーケティングの発展につながっている。その際に大きな役割を果たしているのがクートニーCOOPであり、各地のファーマーズマーケットである。農産物に付加価値をつけて地元の需要に対応するという形の農村空間の商品化が、この地域の特徴である。
Journal
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- Proceedings of the General Meeting of the Association of Japanese Geographers
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Proceedings of the General Meeting of the Association of Japanese Geographers 2017a (0), 100037-, 2017
The Association of Japanese Geographers
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205695956864
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- NII Article ID
- 130006182637
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed