NHKのTV番組における風土記

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書誌事項

タイトル別名
  • Hudoki in NHK TV programs
  • 風土記愛に関する報告(3)
  • a report on hudoki-philia

抄録

1 はじめに<br> 現代日本の社会現象の一つである風土記愛について、NHKのTV番組の事例を報告する。NHKでは「番組表ヒストリー」として放送番組のデータベースを公開している。TV放送開始以来の全番組を対象としたものである。これを利用した結果について報告する。<br>2 風土記と題された番組(風土記番組)<br> 2016年6月までの放映分を対象として「風土記」「ふどき」をキーワードとして検索すると、4599のTV放映が得られる。そのうち複数の系列で同時に放映されたものや広告、古風土記に関する番組などを除き、残りの3022本を対象とした。これらの番組は、まず全国放送と区域限定の放送とに分けられ、さらに子ども向けのもの(A)と一般向けのもの(B)とに分けられる。そしてそれぞれについて、放映形態によって、1:独立のシリーズ、2:何らかのシリーズ番組内で複数回なされた番組、3:独立またはシリーズ番組中の単発的な風土記番組、に区分できよう。<br>3 考察<br>・その一方、1980年代初めまでは多様な風土記番組が作成されていた。しかし1988年の「庄内おんな風土記」を最後に風土記番組は一度途絶え、2002年までの10年余は全く作成されていない。2010年以降は2作品のみが再放送も含めて執拗に放映されている。図書における近代風土記の刊行数と全く異なる。<br>・1980年代までの風土記番組は一般に「地方の話題」もしくは「物語」であった。ただし国民強化に関わるであろう「民謡風土記」も1950年代に放映された。<br>・2010年代の「新日本風土記」(その派生番組たる「どきどきこどもふどき」も含む)は自賛的観光番組として、「地方」を介さずに直接国民強化を志向している。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205696186240
  • NII論文ID
    130005279701
  • DOI
    10.14866/ajg.2016a.0_100031
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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