山形県蔵王山におけるアオモリトドマツの衰弱に対する調査と試み

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タイトル別名
  • Investigation about for Abies marieshii to weaken and challenging weaken at Mt.ZAO in Yamagata prefecture

抄録

山形県山形市蔵王の地蔵岳付近のオオシラビソ(別名アオモリトドマツ,以下アオトド)林で,2013年にトウヒツヅリヒメハマキ(以下ハマキガ)の食害により,蔵王ロープウェイ山頂駅付近の純林が集団的に褐変する被害が発生した。関係機関が連携して調査や作業する中,今回は,アオトドの衰弱状況とその対策,加害生物のハマキガの生態に関する本年の結果と経過について報告する。アオトドの被害状況は,2015年に新たな被害はない。しかし,食害にあった樹木は樹冠上部の葉が消失し,中~下部の枝に着葉がみられる。そこで,着葉率を6区分し,被害林の中心に設定した調査地内の585本の立木の状況を調査した。着葉量が樹冠全体の20%以下の立木が全体の70%を占め,次いで60%が10%,40%が全体の5%程度であり,相当数のアオトドの樹勢衰退が明らかになった。このため,2015年6月に樹勢回復のためにメネデールの樹幹注入をこの585本に行った。樹勢の評価は2016年に実施する予定。また,ハマキガの調査では,7月中旬の羽化がマレーズトラップ等で観察された。また,磯野(2015)が報告した2種のヒメバチ類もトラップで観察され,寄生蜂による被害の低下が示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205705434624
  • NII論文ID
    130005166787
  • DOI
    10.11519/jfsc.127.0_554
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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