高マグネシウム環境の緑化に適したイブキジャコウソウ品種の探索

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Research on Japanese wild thyme (<i>Thymus quinquecostatus</i>) for revegetation on high magnesium alkali environments.

抄録

三重県の中南部は紀伊半島を貫く中央構造線に沿ってMgを多く含んだ岩石(蛇紋岩・閃緑岩等)が産出する。これらの土壌・岩石は高いpHによりリンや各種必須金属元素の溶解度が低く、植物の生育が阻害されるため、緑化を進めることが困難な状況にある。一方、シソ科の低木であるイブキジャコウソウは日本各地の蛇紋岩土壌や石灰岩土壌に分布する好pH植物であり、匍匐性、高い乾燥耐性などの特性から現在法面緑化への利用が進められている。今回、日本各地のイブキジャコウソウを収集し、形態や増殖についての特性を調査したほか、蛇紋岩・閃緑岩採石場環境への適応性について調査したので報告する。イブキジャコウソウは三重県鳥羽市菅島の蛇紋岩土壌地帯および京都府/福井県青葉山の凝灰角礫岩で採取したほか、北海道勇払郡むかわ町坊主山の蛇紋岩土壌、滋賀県米原市伊吹山の石灰岩をそれぞれ原産とし、一般土壌で採取したものを収集した。三重大学内で繁殖試験を行ったところ、三重県鳥羽市産のものは起立性が高く、種子の回収が可能であったが、北海道産のものは匍匐性が高く、種子の形成は見られなかった。現在大学土壌・蛇紋岩および閃緑岩での増殖試験を継続中である。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205705449344
  • NII論文ID
    130005166831
  • DOI
    10.11519/jfsc.127.0_573
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ