薬剤樹幹注入したヒノキにおけるスギノアカネトラカミキリの生育

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タイトル別名
  • Growth of <i>Anaglyptus subfasciatus</i> in <i>Chamaecyparis obtusa</i> trees injected chemicals

抄録

スギノアカネトラカミキリは、スギ・ヒノキにトビクサレと呼ばれる被害を発生させる材質劣化害虫として有名である。本種の生態としては、長い材内生活史や雄性フェロモンなどが知られており、枯れ枝に産卵する習性から防除には枝打ちが効果的と言われている。しかし、枝打ち意欲の低下や長伐期化などにより被害の蓄積・拡大が進んでいると考えられ、近年被害材積の増大が指摘されている。一方で、材質としては物理的特性に遜色がないことから、被害木をアカネ材として使用する動きも見られるが、材価は著しく低下するため生産現場では被害を減少させたいという要望が非常に強い。 そこで、薬剤を樹幹注入することによるトビクサレ被害の低減への可能性について検討するために、和歌山県内の36年生ヒノキ林において殺虫剤や殺菌剤を樹幹注入し、材変色の発生や薬剤の分散、材内幼虫の状態等について調査した。その結果、薬剤の分散状況や材の変色範囲は、注入する薬剤の種類や注入時期によって異なっていた。また薬剤注入した材内には、スギノアカネトラカミキリ幼虫や成虫の死亡個体が存在する場合もあったが、駆除効果として明瞭な傾向は見られなかった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205705452416
  • NII論文ID
    130005166840
  • DOI
    10.11519/jfsc.127.0_579
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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