中国山地中部の源流域における小径流木の湿潤密度と乾燥密度

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タイトル別名
  • Wet and dry density of instream wood in a headwater catchment, central Chugoku Mountains

抄録

本研究では中国山地の源流河川にある小径流木(直径<10cm)を対象に,現地での密度(湿潤密度)と完全な乾燥状態での密度(乾燥密度)について調べた。対象とする流木は,流木群(ログジャム)から採取した。内訳は針葉樹61本,広葉樹59本であった。密度は各個体5-7個の円盤から算出した。針葉樹流木の場合,湿潤密度と乾燥密度はそれぞれ,0.5-1.0,0.2-0.6 g/cm3であった。広葉樹流木の場合,それらは0.3-1.1,0.2-0.7 g/cm3であった。針葉樹流木は,その大部分は枝であり,腐朽していない場合には乾燥密度が0.6 g/cm3程度と考えられた。他方,広葉樹流木は,調査地に優占するコナラを参考にして腐朽していない場合には0.7 g/cm3程度と考えられた。これら2つの値の50%を下回る乾燥密度を持つ流木,すなわち十分に腐朽した流木は,針葉樹と広葉樹でそれぞれ10%,20%存在した。以上の結果は,ログジャムが決壊すると樹種にかかわらずほとんどの小径流木は浮遊状態で流下するものの,10-20%程度はそれ自身の分裂によってログジャムの決壊とは無関係に流下する可能性を示唆している。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205705490688
  • NII論文ID
    130005166889
  • DOI
    10.11519/jfsc.127.0_605
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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