スギカミキリの蛹化における日長の影響

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タイトル別名
  • Effects of day length on pupation of the sugi bark borer, Semanotus<i> japonicus</i>

抄録

スギカミキリは、幼虫が低温を感じると蛹化が抑制され2年1世代となることが示唆されている。しかし、蛹化に与える日長の影響は不明である。そこで、幼虫を25℃と19℃および長日と短日を組み合わせた条件下で飼育して蛹化率を調べた。その結果、蛹化率は25℃長日で74%、短日で100%、19℃長日で7%、短日で0%であった。このことから、蛹化抑制には低温の影響の方が大きいことがわかった。次に、長日から短日への変化の影響を見るために、25℃で、孵化後25、50、75日間長日で飼育してから短日に移したところ、いずれも蛹化率は100%となった。このことから、高温では日長変化の影響はないことがわかった。さらに、高温から低温への変化の影響を見るために、短日で、孵化後25、50、75日間25℃で飼育してから19℃に移したところ、蛹化率はそれぞれ70%、94%、100%となった。このことから、発育が進んでからは低温の影響を受けにくいことがわかった。以上を総合すると、スギカミキリの蛹化は日長より温度の影響を強く受け、幼虫の早い時期から低温を感受すると蛹化抑制されると考えられた。本研究は、JSPS科研費26450217により実施された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205705688064
  • NII論文ID
    130005167103
  • DOI
    10.11519/jfsc.127.0_149
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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