ニホンジカの食圧が再造林地の表土移動量に及ぼす影響について-徳島県つるぎ町における調査事例から-

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タイトル別名
  • Effect of grazing pressure of the Sika deer on the surface soil movement in a reforestation site

抄録

近年のニホンジカの増加による森林植生の衰退と土壌への影響に関する報告が増えてきた。本研究は再造林地を対象とし、シカの食圧が再造林地の表土移動量にどれくらい影響するのか(しないのか)、ということを明らかにすることを目的とした。調査方法は、シカが高密度で生息している徳島県つるぎ町の皆伐跡地に、植栽木被害の推移(速度・被害度)を調べるために設定された6つの植栽区(スギ・ヒノキ混植、比率3:1、植栽前に下刈り)の内、隣接する傾斜30°前後の植栽区2つ(a.シカ防護柵なし、b.あり)を利用して、そこに土砂受け箱を設置して、シカ影響の有無が表土移動量に及ぼす影響を比較した。2015年8月4日から土砂移動量の測定を開始したが、9月30日および11月4日に回収した土砂量については、防護柵の無い植栽区(a)の方が防護柵のある区(b)よりも多かったが、表土移動量としてどちらの区も低いレベルであった。この理由として、防護柵の無い植栽区に植えられたスギ、ヒノキについては明らかな食害が見られたものの、それ以外の草本植生については現存量が大きく減少するほどの食圧がかからなかったためと考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205705692032
  • NII論文ID
    130005167115
  • DOI
    10.11519/jfsc.127.0_653
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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