北海道中部の湿地林における地表面と下層植生からのメタンフラックス

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タイトル別名
  • Methane flux from soil surface and forest floor vegetation on wetland forest in central Hokkaido.

抄録

樹木を介したメタン放出が観測された北海道中部の月形町の湿地林において、湿地生態系全体のメタン放出の定量的評価に向けて、地表面と林床植生のメタンフラックスを観測した。地下水位傾度に応じてオニシモツケとヨシが優占する群落に調査区を設置し、地表面は2013~2015年の無積雪期間に毎月1回、ステンレス製円形チャンバーを用いた非通気型密閉法により計10か所でメタンフラックスを観測した。下層植生はオニシモツケ群落ではオニシモツケとオオイタドリ、ヨシ群落ではオニシモツケとヨシを対象に2015年6~8月に3回、ステンレス製脚部とテドラーフィルムからなる直方体のチャンバーを用いて計8か所で同様に観測した。地表面のメタンフラックスは吸収かごくわずかな放出で、地下水位とチャンバー位置に依存していたほか、特定のチャンバーで極端に高い放出が観測された。下層植生ではヨシから非常に高いメタン放出が見られ、オニシモツケの一部からも放出が観測された。これらの結果から、樹木からの放出を除く湿地林のメタンフラックスは、オニシモツケ群落では地表面の吸収、ヨシ群落ではヨシの放出が主体となっていると推察された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205705703936
  • NII論文ID
    130005167127
  • DOI
    10.11519/jfsc.127.0_626
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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