地域との協同拠点としての演習林:鹿児島大学演習林における林業技術者養成・森林環境教育の実践から
書誌事項
- タイトル別名
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- University Forest as a base of cooperative with the region: a case of Kagoshima University Forest
抄録
鹿児島大学農学部附属演習林は、教育関係共同利用拠点として全国に開かれた教育利用を推進しているが、従前から取り組んできた地域との協同拠点としての活動を基盤としている点に取り組みの独自性がある。具体的には、森林環境教育の各種取り組みと林業技術者養成プログラムの2種類の活動である。森林環境教育については、小学生を対象にしたキャンプを演習林内で実施しているが、これは単なる社会貢献活動では無く、参加する学生にとっては教育学部と農学部で単位となる授業でもある。また、林業技術者養成プログラムは「履修証明書」を発行する社会対象の特別課程だが、演習林をフィールドにして延べ150人近くの受講生が学んできた。このプログラムも一部を公開森林実習と共通で実施することで、現場の社会人と林業について学ぶ機会を全国の学生に提供している。鹿児島県においては演習林は最大級の民有林所有者でもあり、森林・林業に関わる地域協同の拠点として大きな可能性を持つが、その成果を大学の教育・研究と連携させることが重要である。本報告では、これらの取り組みの経過と実施に当たっての課題、今後の展望について議論する。
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 127 (0), 670-, 2016
日本森林学会