殺菌剤少量注入処理によるナラ枯れ予防方法の検討

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • A small amount injection of fungicide for developing death prevention method of Japanese oak trees attacked by Platypus quercivorus

抄録

【目的】ブナ科樹木萎凋病被害(以下、ナラ枯れ)の枯損予防のための殺菌剤樹幹注入処理は、注入容器の運搬手間、処理後の回収など作業コストが高いことや薬剤コストが高いことなどの問題を解決する必要がある。これらの問題に対応するため、より簡易で作業コストを抑えた高濃度の殺菌剤少量樹幹注入処理方法の実用性、及び効果を検討した。【方法】少量注入であっても樹体で適切に分散する製剤を選択するため、長野県塩尻市のコナラ林分で製剤、及び注入量の組合せを変えた注入処理を行い、樹体内分散状況を調査した。また、その結果を基に選択した新規薬剤の少量樹幹注入処理による現地試験を長野県、及び山形県の被害林分で実施した。【結果】樹体内の薬剤分散は、新規薬剤の少量注入処理であっても、登録薬剤による現行処理と違いがみられなかった。現地試験では、長野県、山形県とも新規薬剤の少量樹幹注入処理及び登録薬剤の現行処理の供試木のナラ枯れによる枯損率はともに0%で、無処理の供試木は23~25%であり、新規薬剤による少量樹幹注入処理は現行の樹幹注入処理と同等の枯死予防効果が認められた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205705986304
  • NII論文ID
    130005048836
  • DOI
    10.11519/jfsc.124.0.676.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ