伐り捨て間伐を実施した林分における揮発性成分の変動

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タイトル別名
  • Changes of volatiles in atmosphere of forest stand as a result of thinning procedure

抄録

間伐遅れの人工林が増加するに従って、材質劣化害虫による被害が顕在化しつつある。材質劣化害虫の多くは、被圧された衰弱木、あるいは枯死木・風倒木や林内に残された伐り捨て間伐木を宿主とする二次性の昆虫であり、林内の少ない餌資源を的確に探索し生育に適した宿主を選好する機構を備えていると考えられる。その多くが宿主木由来の揮発性成分を利用し誘引行動を行うことが知られおり、キバチ類では、宿主木由来のα-ピネンに誘引されることが知られている。そこで、α-ピネンをはじめとする宿主木由来の揮発性成分の林内での動態を調べる為に、伐り捨て間伐前後のヒノキ人工林内で林内大気中の揮発性成分の捕集および分析を行った。その結果、伐り捨て間伐直後では間伐前と比較してα-ピネンの濃度が急上昇したが、伐り捨て間伐3か月後には間伐前の濃度まで低下した。従来、キバチ類は新鮮な伐り捨て間伐木を好んで産卵を行い、間伐から時間の経過した材は好まれないことが報告されているが、林内の揮発性成分の経時変化もこれを示唆する結果となった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205706036224
  • NII論文ID
    130005048818
  • DOI
    10.11519/jfsc.124.0.66.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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