カツラマルカイガラムシに寄生するツヤコバチ類の寄生率と生活史

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タイトル別名
  • Parasitism rates and life history of aphelinid wasps on Comstockaspis macroporana

抄録

東日本の広葉樹林に大きな被害をもたらしているカツラマルカイガラムシには、有力な天敵であるPteroptrix sp.(ツヤコバチ科)が存在する。本種は2008年に山梨県で寄生が認められ、長野、新潟両県でも確認されたが、東北地方では発見されていない。本種のカツラマルカイガラムシに対する寄生率は非常に高くなることがあり、防除素材としての有効性も期待することができる。本発表では、Pteroptrix sp.の発育による形態およびサイズの変化を顕微鏡下の観察から明らかにするとともに、羽化成虫の性比を調査し、近縁種における過去の知見と比較した。長野県須坂市のコナラ被害枝から採集したカツラマルカイガラムシを検鏡し、体内のPteroptrix sp.の各発育段階の形態を確認するとともに、体長、体幅などを計測した。また、幼虫発育段階で形成されるマミーについても同様の観察と計測を行った。調査の結果、サイズ分布から幼虫は3齢を経過するものと推定され、近縁種の齢数と一致した。また蛹のサイズには雌雄差が認められ、平均的に雌の方が大きかった。性比(雄率)は2010年の0.52から2012年は0.14と変化した。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205706049280
  • NII論文ID
    130005048796
  • DOI
    10.11519/jfsc.124.0.64.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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