流水に対する樹木の抵抗特性 -クロマツと広葉樹を対象とした水理実験-

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タイトル別名
  • The resistance characteristics of trees agaist water flow

抄録

海岸林樹木の水流に対する抵抗特性を明らかにすることを目的として、大型水路において実樹木を対象として水理実験を行ない、水流に対する樹木の抵抗力、水流の流速、枝葉の量の関係について検討した。日本の海岸林の主要樹種であるクロマツの他に、広葉樹3種類を対象とし、実験での流速は秒速1~2 mの範囲で変化させた。 <br> 葉面積当りの葉の抵抗力は、いずれの樹種も流速が上がると大きくなる傾向があった。流体に対する物体の抵抗力式によると抵抗力は流速の2乗に比例するので、流速が上がるほど、流速に対する抵抗力の増加率は大きくなるはずであるが、その傾向は明瞭ではなかった。これは、流速が上がると葉がなびいて抵抗体として有効な葉の量が減少したためだと考えられた。葉の抗力係数は、クロマツは0.02程度、ケヤキは0.03程度、サクラは0.02程度、ヤブツバキは0.06程度となり、流速が増すと減少する傾向があった。この原因として、抗力係数を算出に用いる物体の量を表わす指標として、流速に依る変化する投影面積ではなく、本研究では流速に依らない葉面積を用いたことが考えられた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205706265088
  • NII論文ID
    130005048720
  • DOI
    10.11519/jfsc.124.0.571.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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