常緑広葉樹における葉齢に依存した137Cs、133Cs、および主要元素の濃度変化

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Shoot age dependent differences in concentrations of radio cesium(137Cs), stable cesium(133Cs), and macro nutrients in leaves of evergreen broad-leaved tree species

抄録

常緑広葉樹の枝先端部における放射性セシウム(137 Cs)の動態を、自然界に存在する安定同位体セシウム(133 Cs)や同じアルカリ金属であるKやRb、アルカリ土類金属など他の主要元素との比較から検討する為、これら元素の葉中濃度を葉齢別に比較した。森林総合研究所構内のヤブツバキ4個体から各5本の枝を2012年6月末に採集した。枝の齢構成を芽鱗痕から判別し(最大で5年分の葉が着葉)、葉を洗浄乾燥後、齢別にまとめ、137Csの濃度はGe半導体検出器(井戸型)で、他元素の濃度は湿式分解の後ICP-MSで測定した。アルカリ土類金属やAlは、古葉ほど乾重当たりの濃度が高くなる傾向が見られた。一方、K、Rb、133 Csなどアルカリ金属は、若葉ほど乾重当たりの濃度が高く、新葉に移動し易い元素であると考えられた。137 Csは、事故時に着葉していた葉で乾重当たりの濃度が高くなる傾向が見られたが、事故後に展葉した葉で比べると他のアルカリ金属と同様の傾向が見られた。ただし、乾重当たりの葉面積は古葉ほど減少する傾向があり、葉面積当たりの濃度で比べると、新葉で濃度が高くなる傾向が認められない場合も見られた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205706487552
  • NII論文ID
    130005048516
  • DOI
    10.11519/jfsc.124.0.387.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ