里山再生を目的とした低木類の現存量把握とその飼料化の試み‐ナラ枯れ跡地の事例‐

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タイトル別名
  • Estimation of species composition and biomass of understory trees at Satoyama ecosystems and the possibility of their usage as fodder for livestock.

抄録

近年、増加傾向にあるナラ枯れ被害の背景には、ナラ菌に感染した枯死木が放置されていることがあげられる。薪炭林として使用されていた里山では薪炭の消費量が激減したことで管理の放棄が進み、枯死木も燃料にされずに放置されている。里山生態系とミズナラ林を再生する方法として、林床を暗くし、更新を阻害している低木類を刈り出し、飼料化することに着目した。ナラ枯れ未被害地8ヵ所と被害地8ヵ所の林分構造を調査し、被害地の1ヵ所では刈り出しを行い現存量と刈り出し前後の光量変化を調査した。刈り出し前の相対光量は2~8%だったが、刈り出し後は約20~28%に改善された。16調査地の結果から出現頻度が高く、本数や現存量の多い低木類3種類(オオバクロモジ、リョウブ、ユキツバキ)と対照飼料で嗜好実験を行った。対照飼料の採食率を100とした場合、オオバクロモジは60、リョウブは52、ユキツバキは44だったが、3樹種の採食量は分散分析の結果有意差はなく、試供家畜は採食できることが示唆された。今後の課題として、刈り出し後に植栽するミズナラ稚樹の生育過程を調査することと、本研究で使用した3樹種以外の嗜好実験が考えられた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205706993920
  • NII論文ID
    130005048900
  • DOI
    10.11519/jfsc.124.0.733.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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