ウルシ植栽適地の判定-健全なウルシ林分造成に向けて-

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タイトル別名
  • Suitable site evaluation of Toxicodendron vernicifluum (Stokes) F. A. Barkl. plantation stand

抄録

ウルシ林分では病害等による成長低下や枯死等が拡大している。これには適地外への植栽が原因の一つと考えられる。健全なウルシ林分造成に向けた適地検討のため、成長に対する土壌水分と土壌群の影響評価を植栽林分で調査した。土壌水分の影響は岩手県二戸市と北海道網走市の斜面上部と下部で調査した。土壌水分はいずれの林分でも成長の良好な斜面上部で高く、斜面下部では低かった。特に斜面下部では、30cm深の水分張力が圃場容水量(-6.2kpa)より過湿な状態が長く続くが、斜面上部では比較的早く乾燥する傾向にあった。これは土壌断面調査による地下水面の有無からも裏付けられた。土壌群との関係解析は北海道、青森、岩手、茨城、新潟の試験地で調査した。樹高成長は褐色森林土(特に乾性型)や台地土で大きく、低地土やグライ土で小さく、黒ボク土はその中間であった。褐色森林土や台地土などは相対的に高い地形位置に分布しており、土壌水分の観測地で認められた斜面上部で成長が相対的に良い傾向と一致する。これらから、ウルシは比較的乾いた立地に適していると考えられた。今後のウルシ林分の造成にはこれら立地条件を考慮した植栽が必要と考える。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205707260288
  • NII論文ID
    130005048282
  • DOI
    10.11519/jfsc.124.0.176.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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