ホンシャクナゲとキョウマルシャクナゲの交雑起源集団における花形態の標高クライン

書誌事項

タイトル別名
  • Hybridization between <i>Rhododendron japonoheptamerum</i> var. <i>hondoense</i> and var. <i>kyomaruense</i>

説明

ホンシャクナゲとキョウマルシャクナゲの2変種は形態的に類似するが,花の数性が明確に異なり,それぞれ7と5数性を示す。本研究では2種とこれらの中間的な個体が標高的に連続して生育する集団(乙女渓谷)で,花形態の標高分布と各個体の遺伝的背景から集団の成立過程を明らかにすることを目的とした。数性は標高と有意な負の相関を示し,標高が高くなるにつれ,ホンシャクナゲからキョウマルシャクナゲに変化する形態クラインが見られた。乙女渓谷に加え,2種の参照集団を含めた3集団でMIG-seqを行い,75 SNPを決定した。Admixture解析の結果,最適クラスター数(K)は2または3を示し,K=2の場合,参照集団の2種は明確に区別され,乙女渓谷のほぼ全て個体は中間的なクラスター組成を示した。K=3の場合,各集団は個別のクラスター組成を示した。乙女渓谷の集団は高い固有SNP数を示した。乙女渓谷の個体の花形態とK=2のクラスター組成に有意な相関は認められなかった。以上より,乙女渓谷は,現在,種間交雑が生じている集団ではなく,過去に種間交雑で成立し何世代も経て現在に至った集団であると考えられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205707597952
  • NII論文ID
    130005166626
  • DOI
    10.11519/jfsc.127.0_762
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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