阿武隈の落葉広葉樹林における放射性セシウム循環の経年変化

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タイトル別名
  • Yearly changes of radioactive cesium cycle in deciduous broad-leaf forest in Abukuma

抄録

福島県川俣町の農地に接する落葉広葉樹林において、137Csのストックとフラックスを2013年から継続測定している。林床有機物層除去処理区も設け、生態系の反応について調べた。以下の数値はすべて2011年3月15日基準で半減期補正した。試験地にはトータル500kBq/m2137Csが存在したが、当初より大部分は林床に集積していた。林床の137Csは、2014年まで50%以上が有機物層にあったが、2015年は72%が鉱質土層に存在し、下層移行が進行した。林内雨と樹幹流中の137Csは、2014年1.2kBq/m2だったのが2015年は0.8kBq/m2に減少したが、リターフォール中の137Csは、2014年3.2 kBq/m2だったのが2015年は3.8kBq/m2に増加した。系外への137Cs流出量は2013年から2015年にかけていずれも0.3kBq/m2前後で大きな変化はなかった。熊手による有機物層部分除去区の林床137Cs集積量は対照区の55%だったが、リターフォール137Cs量は83%、林内雨137Cs量は約70%で、有機物層除去により林木吸収量が減り、林地供給量が減少したと考えられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205707777280
  • NII論文ID
    130005166895
  • DOI
    10.11519/jfsc.127.0_802
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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