湿地林におけるヤチダモ樹幹からのメタン放出量の季節的変動

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タイトル別名
  • Seasonal variation in CH<sub>4</sub> emission rate from tree stems in a floodplain forest

抄録

湿地から大気へのメタン放出に関して、樹木の幹が放出経路となりうることが最近明らかになってきた。樹木を介したメタン放出の定量評価に向けて、樹幹からのメタン放出量の季節変動とそれに関与する環境要因について検討した。山地小渓流沿いのヤチダモ林の林冠木3個体を対象として、樹幹表面(地上15cm)でのメタンフラックスを非通気型密閉法によって測定した。測定は2011年7月~2013年11月までの期間(積雪期は除く)に計13回行った。各調査個体の近傍において、地下水位を記録するとともに、フラックス測定時に地下水サンプルを採取し、溶存メタン濃度をヘッドスペース平衡法よって求めた。メタン放出量とその季節変動には個体間差がみられた。メタン放出量は、変動の小さな個体では100μgCH4m-2h-1前後であったが、変動の大きな個体では100~1500μgCH4m-2h-1と測定時期によって10倍以上の違いがみられた。メタン放出量と地下水位や溶存メタン濃度との関係については、調査個体間の比較ではゆるやかな対応がみられたが、メタン放出量の季節変動を環境要因から単純に説明することはできなかった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205708486272
  • NII論文ID
    130005474636
  • DOI
    10.11519/jfsc.125.0_652
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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