アラカシ及びコナラの伐倒処理によるカシノナガキクイムシの発生頭数

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タイトル別名
  • The number of the emergence of <i>Platypus quercivorus</i> with cutting <i>Quercus glauca</i> and <i>Quercus serrata</i>

抄録

【目的】これまで,カシノナガキクイムシ(太平洋型個体群,以下カシナガ)の被害を受けたウバメガシを4月までに伐倒し,残置するだけで発生頭数を抑制できる手法(以下伐倒残置)を明らかにした。そこで,アラカシとコナラにおける伐倒残置の適用について検討した。【方法】試験は和歌山県西牟婁郡上富田町の常緑樹林で行った。2014年4月,昨年にカシナガの穿孔被害を受けたアラカシ10本,コナラ8本を選木し,そのうち5本を高さ1.2m付近で伐倒し,伐倒木5本,切株5本に設定,残りを生立木(アラカシ5本,コナラ3本)とした。フラスの確認できた穿入孔に各調査木1本当たり20個のチューブトラップを設置し,2014年6月~11月の期間,発生頭数を調査した。【結果】調査孔あたりの発生頭数は,アラカシでは生立木34.7頭・切株19.5頭・伐倒木1.6頭,コナラでは生立木23.7頭・切株9.4頭・伐倒木9.9頭であった。繁殖成功孔率は,アラカシでは生立木90%・切株70%・伐倒木24%と伐倒木が低く,コナラでは生立木93%・切株74%・伐倒木73%と大きな差は認められなかった。このことから,アラカシは被害状況等に応じて伐倒残置を適用し,コナラは伐倒残置の効果が大きくないと考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205709480320
  • NII論文ID
    130005490920
  • DOI
    10.11519/jfsc.126.0_412
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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