変動光に対する針葉樹の光防御機構―メーラー反応の生理機能解析―

書誌事項

タイトル別名
  • A photo-protective mechanism against fluctuating light in conifers

説明

裸子植物は被子植物よりも葉緑体の酸素還元反応(メーラー反応)の能力が10倍高い。一方、メーラー反応はラン藻で大きく、変動光の下で生きて行くために欠かせない役割を担っている。本研究では、針葉樹のメーラー反応の生理的意義を明らかにするために、ヒノキとシロイヌナズナの変動光に対する耐性を比較した。変動光として、弱光(2 mol E m-2s-1)の連続光に強光(470 mol E m-2s-1)のパルス光(持続期間1秒)を繰り返し重ね合わせた光を用いた。パルス光を照射する間隔は0秒から6時間まで段階的に変えた。ヒノキとシロイヌナズナは同一条件(60 mol E m-2s-1/18時間、相対湿度70%)で生育させた。実験の結果、ヒノキではパルス光を7秒間隔で照射しても光合成(相対的電子伝達速度)は阻害されなかったが、シロイヌナズナでは16分間隔でも阻害されることが分かった。これは、ヒノキはシロイヌナズナよりも変動光に対する光合成の耐性が高いことを示している。ヒノキの変動光耐性についてメーラー反応との関わりを議論する。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205709576448
  • NII論文ID
    130005490828
  • DOI
    10.11519/jfsc.126.0_368
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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