福島県森林土壌の放射性Csの鉛直分布と吸着形態の特徴

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Characteristics of radioactive cesium vertical distribution and adsorption in the forest floor of Fukushima

抄録

<p>福島第一原発事故によって森林に沈着した放射性Csは、そのほとんどが土壌表層に蓄積していることが数多く報告され、長期的な汚染源になることが懸念されている。一方、土壌中の放射性Csの吸着形態は、森林生態系内の循環も含めた動態予測を行ううえで重要であり、土壌への吸着強さ(移動や吸収され難さ)に応じた実態を把握する必要がある。本研究では、放射性Cs沈着量が異なる太田川と宇多川の両上流域の森林で、2014年以降、土壌層位別に試料の採取を行い、137Cs濃度測定と1M NH4NO3と水を用いた抽出実験を行った。各層位の137Cs濃度は、太田川が宇多川よりも1桁高かったが、鉛直分布の傾向は類似し、FH層で最も高かった。堆積有機物層における吸着形態に関しては、L層、FH層ともに太田川試料の水と1M NH4NO3による抽出率が、いずれも宇多川のそれらを大きく上回っていた(1M NH4NO3;太田川21-38%、宇多川5-13%、水;太田川6-20%、宇多川1-4%)。一方、鉱質土壌に関しては、一部宇多川で1M NH4NO3による抽出率が高いケースが見られたが、全般的に両森林に有意差は確認できなかった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205709596544
  • NII論文ID
    130007021257
  • DOI
    10.11519/jfsc.128.0_734
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ