北限の松枯れの特徴を踏まえた省力的防除体制:科学的検証と秋田の市民ボランティアによる15年間の実践

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タイトル別名
  • A laborsaving control of pine wilt adapted for cool climate: scientific testing and citizen participation

抄録

<p>現在、マツ材線虫病の被害は北日本や高標高地でのものが主要な位置を占める。我々のグループでは、寒冷地では年間を通して発生する枯死木の一部にしか本病の媒介昆虫が寄生しないことに着目し、媒介昆虫寄生木の処理を重視し微害状態の維持を目標とする「秋田方式」の防除法を提唱し、秋田市の海岸マツ林でこの防除法について実践的な研究を行ってきた。我々の取り組みは、秋田方式の科学的根拠の検証および市民参加型の伐倒駆除の実践、そして林分の被害発生のモニタリングに大別できる。各月の枯死木発生と媒介昆虫の寄生状況の解析からは、月別の枯死木の処理優先度を統計的に順位付けできることを明らかにした。また実践において、伐倒駆除の際に薬剤は使用せず、ボランティアによる枯死木の炭化(炭やき)を2002年から、また2009年からは枯死木の探索も含め、それぞれ継続実施してきた。その結果、当該地区の被害状況は未だに微害を維持している。講演ではこれらの紹介の他に、省力的な防除法である秋田方式の定量的な検証、また寒冷地における松枯れ防除における注意点と課題についてもお話ししたい。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205709634304
  • NII論文ID
    130007021298
  • DOI
    10.11519/jfsc.128.0_684
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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