シカ採食圧のある再造林地および落葉広葉樹林における表土移動量について-徳島県つるぎ町での事例-

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タイトル別名
  • Estimation of soil erosion in a reforestation site under the influence of grazing pressure of Sika deer

抄録

<p>近年、ニホンジカの増加による植生の衰退と表土への影響が懸念されている。本研究はシカが40頭/km2(糞粒法)生息する皆伐再造林地および隣接する落葉広葉樹林において、どの程度の表土移動が起きているのかを明らかにするため、土砂受け箱をスギとヒノキを混植した植栽区(a.防護柵なし、b.柵あり、傾斜30度)および隣接する落葉広葉樹林(c.柵なし、傾斜35度)に設置し、表土移動量を測定した。調査は2015年7月末~2016年12月末まで行い、初回は2ヶ月後、それ以降は約1か月ごとに土砂の回収を行い、土砂受け箱の斜面上方側の植生や植物遺体による地表被覆度を記録した。調査開始後1年間の総土砂移動量(レキと細土)はa.5.4kg/m、b.1.5kg/m、c.0.9kg/mで、防護柵のない(シカ採食圧のある)植栽区で最も大きかった。落葉広葉樹林の林床には草本植生がほとんど見られなかったが、年間を通じてほぼ落葉落枝に覆われていたため表土移動量が小さかった。植栽区では夏季の草本による被覆度に差は明確ではなかったが、冬季はイチゴ類の越冬葉や植物遺体による被覆度に大きな差が見られ(a<b)、これがシカ採食圧のある植栽区で表土移動量が大きい理由と考えられた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205709734656
  • NII論文ID
    130007021372
  • DOI
    10.11519/jfsc.128.0_629
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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