ヤチダモ湿地林における生態系メタンフラックスのボトムアップ推定

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タイトル別名
  • Bottom-up estimation of ecosystem CH<sub>4</sub> flux in a <i>Fraxinus</i>-dominated forest wetland in northern Japan

抄録

<p> 樹木の幹からのメタン放出が、湿地林のメタンフラックス全体に占める割合を推定することを目的として、渓畔の氾濫原に成立するヤチダモ林において、生態系のメタンフラックスを構成する3つの成分(樹幹、林床植生、地表面)を、それぞれ非通気型チャンバーを用いて測定した。調査区(60m×20m)内の林床植生相の異なる2か所(ヨシ(P)群落、オニシモツケ(F)群落)において、ヤチダモの樹幹は計6個体(うち3個体では地上0.1~4.9mの5つの高さ)、林床植生は計10か所、地表面は計10か所で、2016年7月18~21日に測定した。樹幹からのメタン放出量(樹幹表面積当たり)は、樹幹の最下部で最も大きく、P群落で約350µgCH4m-2h-1、F群落で70~200µgCH4m-2h-1であった。樹幹の高さ1~5mの位置でもメタン放出がみとめられたが、樹幹の高さと放出量の関係は明瞭ではなかった。林床植生からのメタン放出量(植物体を含む地表面積当たり)は、P群落では230~3,600µgCH4m-2h-1と大きかったが、F群落ではほとんどのチャンバーで放出はみとめられなかった。地表面でのメタンフラックスは、P群落の1個のチャンバーを除いて0~15µgCH4m-2h-1の吸収であった。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205709892736
  • NII論文ID
    130007021396
  • DOI
    10.11519/jfsc.128.0_622
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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